令和4年7月12日、日本学術会議幹事会声明「有期雇用研究者・大学教員等のいわゆる「雇止め」問題の解決を目指して」を公表いたしましたので、以下のとおり御報告いたします。 日本学術会議幹事会声明有期雇用研究者・大学教員等のいわゆる「雇止め」問題の解決を目指して 令和5年(2023年)3月末をもって、大学及び研究開発法人などで有期労働契約により研究・教育等に従事する研究者・大学教員等(以下研究者等)、数千名に及ぶ多くの人びとの雇用期間が終了し、相当数の方々が契約更新や無期転換を認められずに失職する可能性が指摘されています。この問題の解決のため、政府、大学、研究機関、日本学術会議が協力することが必要だと考えます。 これは、平成25年(2013年)4月1日の労働契約法改正によって、労働契約が5年を超えた場合に有期労働契約から無期労働契約への転換を求める権利が認められたのに対し、さらに翌年4月1日には「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律」(その後、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」に改正)が制定されて、研究者等について無期労働契約への転換をする期間が5年から10年に延長されたことによって生じた事態です。この改正に際しては、平成24年(2012年)5月31日付で、総合科学技術会議有識者議員からも、大学関係者からのヒアリングなどを踏まえ、いくつかの懸念が表明され、対応の方向性も示されていました(注1)が、来年3月末で10年が経過して、任期満了に達する研究者等が発生することになりました。 この事態については、大学・研究機関等において個別的に対応が進められており、一律で無期契約への転換を認める事例がみられる一方で、無期転換の回避を目的に、労働契約の更新を認めない(いわゆる「雇止め」)可能性もあることが指摘されています。こうした対応の違いは、当該機関のミッション、財務能力や研究者との労働契約に関する考え方の違いなど様々の要因で生じているものと考えられますが、個々の機関の判断と努力のみに委ねた場合、研究というミッションに違いがないにもかかわらず機関間で取り扱いに極端な差が生じることも懸念され、そのために生じうる知的な損失は多大なものになりかねません。 この事態の解決を考えるにあたりもっとも重要なことは、これが個々の研究者等の労働や生活に関わる重要な権利問題であるのにとどまらず、その抜本的な再建が急務となっている日本の研究力強化にとってきわめて深刻な事態であるとの認識を、政府、アカデミア、個々の大学・研究機関等が共有し、大局的観点から抜本的な解決策を見出すことにあります。すでに進行中の研究プロジェクトの担い手が失職することによる研究の停滞等の直接的な負の影響に加えて、そもそも研究職が将来展望を抱きにくいものとなり、才能豊かな有為の若い世代の人々が学問研究に魅力を感じず、高度な研究・教育の基盤たるべき人材の確保に多大の困難をもたらしかねないことを深く認識することが求められています。 すでに文部科学大臣からは、無期労働契約への転換を回避するための「雇止め」が労働契約法の趣旨に照らして望ましくないとの判断が示されており(注2)、各大学及び研究機関などは、そうした基本的な認識に立ったいっそうの努力を求められています。同時に、本件は、研究者等の安定的雇用の保障と流動性の確保をはかるための適切なバランスの検討、機関間の協力により研究者等の雇用を維持するための制度の確立、そのための財源の確保、他の職種とは異なる研究者に固有の労働形態というものに見合った特例的な労働契約のあり方の検討など、立法も含めて、個別機関の対応では解決しえない次元を含んでいます。 日本学術会議幹事会は、政府とアカデミアが一体となってこの深刻な事態を解決するための取り組みを早急に行う必要があると考えます。そのために、政府の関係府省庁、国立大学協会をはじめとした大学等関係団体、研究開発法人等の関係団体、個別の大学や研究機関などの間で情報を共有し、緊密な連携のもとで事態の是正をはかるための検討が進められなければなりません。加えて、これからの日本の学術を担う、研究者等(特に若手研究者)の働き方や処遇、キャリア形成のあり方について、広く合意形成を果たすことが求められています。日本学術会議でも関係諸機関・組織とも協力してどのような取り組みが可能か、検討を進める所存です。 (注1)文部科学省ホームページ https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu10/siryo/attach/1335760.htm (注2)文部科学省ホームページ https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/mext_00255.html 令和4年7月12日 日本学術会議幹事会 会長 梶田 隆章 副会長 望月 眞弓 副会長 菱田 公一 副会長 高村ゆかり 第一部部長 橋本 伸也 第一部副部長 溝端佐登史 第一部幹事 小林 傳司 第一部幹事 日比谷潤子 第二部部長 武田 洋幸 第二部副部長 丹下 健 第二部幹事 尾崎 紀夫 第二部幹事 神田 玲子 第三部部長 吉村 忍 第三部副部長 米田 雅子 第三部幹事 沖 大幹 第三部幹事 北川 尚美
「安倍晋三元内閣総理大臣に対する銃撃事件について」(日本学術会議会長談話) (2022/7/9)
令和4年7月9日、日本学術会議会長談話「安倍晋三元内閣総理大臣に対する銃撃事 件について」を公表いたしましたので、以下のとおり御報告いたします。 日本学術会議会長談話 「安倍晋三元内閣総理大臣に対する銃撃事件について」 民主主義社会にとって極めて重要な選挙が行われている中、選挙活動をしている 政治家を銃撃するという前代未聞の行為は、学術の発展が拠って立つべき文明社会 に対する到底許しがたい暴挙であり、深い憤りを禁じ得ません。お亡くなりになっ た安倍晋三元内閣総理大臣のご冥福をお祈りするとともに深く哀悼の意を表し、ご 遺族の皆様に心からのお悔やみを申し上げます。 令和4年7月9日 日本学術会議会長 梶田 隆章
デジタルアース課題:「新しい本」を考える オープン講評会 (2022/7/25)
デジタルアース課題:「新しい本」を考える オープン講評会 (2022/7/25) 参加者募集
東京大学・教養学部(前期課程)総合科目「情報メディア基礎論」(2022年度Sセメスター 担当:渡邉英徳)のデジタルアース課題「新しい本」を考える のオープン講評会を実施します。この課題では「電子書籍」と「デジタルアース」のコンバージェンス(融合)によってもたらされる「新しい本」のありかたについて考え,デジタルツイン構築プラットフォーム「Re:Earth」を用いたプロトタイピングを行なっています。
この課題は,東京大学大学院情報学環「講談社・メディアドゥ新しい本寄付講座」の研究テーマと連動したものです。当日は,選抜した作品のプレゼンテーションと,ゲストレビュアーとのディスカッションを行ないます。ぜひ,登録フォームからご参加ください。
- 日時 2022年7月25日(月)16:50 – 18:35
- Zoomによるオンライン開催
- 参加申込フォームはこちら
先着300名。参加登録後,メールアドレスにURLをお送りします - ゲストレビュアー
- 内山裕弥(国土交通省,Project “PLATEAU”)
- 古橋大地(青山学院大学地球社会共生学部教授)
- 筧康明(東京大学大学院情報学環教授)
2022 年度通常総会 (議決権行使) 報告 (2022 年 6 月 27 日)
2022 年度通常総会 (議決権行使) 報告 (2022 年 6 月 27 日)
デジタルアーカイブ学会規約 19 条~21 条に従って会員の議決権行使をお願いした結果、下記の結果となった。
- 実施期間: 2022/6/13~ 2022/6/24
- 対象会員数 (2022/6/3 現在)
正会員 559 名、学生会員 44 名、賛助会員 57 名
合計 660 名 - 議決権行使数 234 名、うち重複 19 件を除き、有効 215 件 (メールでの議決権行使1件含む)。なお期日までに議決権行使しなかった会員 445 名については各議案について賛成とみなした。
- 決議事項および報告事項
【決議事項】- 第1号議案 2021 年度財務諸表等の承認
1-1.2021 年度事業報告 [資料-1]
1-2.2021 年度財務諸表等 [資料-2]
1-3.2021 年度監査報告書 [資料-3]
議決結果
承認 660 (議決権非行使会員数 445 名を含む) 非承認 0
第1号議案の承認数は、行使された議決権の過半数を上回り、承認された。 - 第2号議案 役員の選任
2022年度理事に平良斗星氏 (公益財団法人みらいファンド沖縄副代表理事) を選任する。
議決結果
承認 659 (議決権非行使会員数 445 名を含む) 非承認 1
第2号議案の承認数は、行使された議決権の過半数を上回り、承認された。 - 第3号議案 長尾真名誉会長および顧問の選任を解除する (ご逝去のため)
議決結果
承認 660 (議決権非行使会員数 445 名を含む) 非承認 0
第3号議案の承認数は、行使された議決権の過半数を上回り、承認された。
- 第1号議案 2021 年度財務諸表等の承認
以上
会員ウェブ懇談会開催 (2022/7/5)
デジタルアーカイブ学会会員各位
会員の皆様には日ごろ学会の発展のためご協力いただきありがとうございます。
2022年の通常総会は昨年同様、メールによる通信総会を実施いたしましたが、こ
れに合わせて広く学会員のご意見を伺うため下記の日程でウェブによる会員懇談
会を実施したいと思います。吉見会長他、理事多数が出席して皆様と懇談いたします。
●日時: 2022年7月5日 (火) 18:30~20:30
●方法: Zoomを用いたウェブ懇談会
●テーマ
- デジタルアーカイブ憲章について (資料はのちほどお送りします)
- 意見交換 (テーマ定めず)
つきましては、参加ご希望の方はこちらからお申込み下さい。定員は80名とさせ
ていただきます。
日頃学会に対してお持ちのご要望、ご意見を発言・議論できる貴重な機会ですの
で奮ってご参加ください。お待ちしております。
参加を申し込まれた方にはアクセス方法を連絡いたします。
よろしくお願いいたします。
デジタルアーカイブ学会事務局
産業とデータ・コンテンツ部会第 2 回 DA ショートトーク (2022/6/27)
産業とデータ・コンテンツ部会第 2 回 DA ショートトーク (2022/6/27)
- 日 時:2022年6月27日(月)10:00~12:00
- 形 式:ZOOMウェビナーによるオンライン(アーカイブ配信も行います
- プログラム
司会:黒橋禎夫氏 (京都大学教授、デジタルアーカイブ学会産業とデータ・コンテンツ部会長)
(発表開始時刻は目安です。前後する可能性がありますがご了承ください)- 10:00~「DAの23問題」
柳与志夫氏 (東京大学大学院情報学環 講談社・メディアドゥ新しい本寄付講座 特任教授) - 10:15~「地域資料DAと教育現場での活用(仮)」
太田亮子氏 (TRC-ADEAC株式会社 営業部) - 10:30~「機械学習による線画変換技術)」
Edgar Simo-Serra氏(早稲田大学理工学術院 准教授) - 10:45〜 「パブリック・ヒストリーとDA」
菊池信彦氏(国文学研究資料館 特任准教授 古典籍データ駆動研究センター併任 - 11:00~「出版、デジタル、アーカイブ」
柴野京子氏 (上智大学教授、デジタルアーカイブ学会産業とデータ・コンテンツ副部会長)
11:15~「メディア芸術ナショナルセンター法案(MANGAナショナルセンター整備運営法案)」
小山紘一氏 (山田太郎デジタル大臣政務官 政策担当秘書 骨董通り法律事務所 弁護士) - 11:30~ 総合討論・意見交換
- 10:00~「DAの23問題」
- 参加について
- 対象者:デジタルアーカイブ学会会員、DAPCON会員、DARA参加機関、その他関係者
- 参加費:無料
- 申し込み:こちらから
第2回DAフォーラム (2022/6/26) 予稿集と抄録集公開、参加申込受付中
第2回DAフォーラム (2022/6/26) 予稿集と抄録集公開、参加申込受付中
デ ジタルアーカイブ学会は昨年オンラインによる第1回DAフォーラムを開催いたしました。こうしたオンラインでの発表は、地方の会員の発表・参加の門戸を広 げ、また学生を含むより多くの会員に、発表と研鑽の機会を提供するものとなりました。本年も前回に続きオンライン形式で第2回DAフォーラムを開催いたし ます。DAフォーラムは、一般的な研究発表の場であるだけでなく、より完成度の高い報告等に繋げるための研究・実践活動の展望を得る機会も提供することを 目指します。
● 日時: 2022 年 6 月 26 日(日)13:00 ~ 18:00
●形式: オンライン (参加費は会員・非会員とも無料)
●プログラム
発表終了後、発表者・参加者によるオンライン交流会を開催します。
●参加方法
こちらからお申込みください。
pro.form-mailer.jp/fms/d939c0a4240062
2022 年度通常総会議決権行使お願い (締切 2022/6/24)
デジタルアーカイブ学会2022年度通常総会 (通信総会) 議決権行使お願い
デジタルアーカイブ学会規約第19条~21条に従って会員の議決権行使をお願いいたします。
会員の方で議決権行使のメールが届かない場合は、 office@digitalarchivejapan.org までご連絡ください。
「決議事項」につき、ウェブでの議決を取ることといたします。下記【決議事項】資料をご覧の上、メールに記載されている議決権行使サイトより承認・非承認をご入力ください。ウェブでの入力が困難な場合は、電子メールの利用も認めることとします (事務局宛、件名を「2022年度通常総会議決権行使」とし、会員種別、氏名と議案についての賛否の記載をお願いいたします)。この議決権行使の締め切りは2022年6月24日 (金) 24時といたします (メールは同時刻までに到着したものを有効とします)。また前記期日までに議決権行使をされなかった会員については各議案について賛成とさせていただきます。
【決議事項】
- 第1号議案 2021年度財務諸表等の承認
- 第2号議案 役員の選任
2022年度理事に平良斗星氏 (公益財団法人みらいファンド沖縄副代表理事) を選任する。 - 第3号議案 長尾真名誉会長および顧問の選任を解除する (ご逝去のため)
【報告事項】
東京大学「講談社・メディアドゥ新しい本寄付講座」ウェブページ公開
東京大学「講談社・メディアドゥ新しい本寄付講座」ウェブページ公開
当学会が事務局を設置させていただいている「講談社・メディアドゥ新しい本寄付講座」のウェブページが公開されました。(2022/5)
主な研究開発(活動)内容は次のとおりです。
- DNP学術電子コンテンツ研究寄付講座(2017年~2021年)における「Beyond Book Project(BBP)」の検討成果を踏まえて、デザイン思考をベースに試作・製品化に向けた検討を行い、社会実装を目指します。
- DNP学術電子コンテンツ研究寄付講座の成果を踏まえ、テクノロジードリブン・デザイン思考をベースとしたプロダクトαの開発を行ない、出版社の寄付講座である強みを活かした社会実装を進めます。さらに、デジタルネイティブ世代の観点から「新しい本」の可能性についても議論し、SFプロトタイピング・アート思考・インパクト思考をベースとした新しいプロダクトβのコンセプトを形成します。
- 以上の2プログラムを同時並行で実施します。そのため検討チームも2編成(αチームとβチーム)としますが、メンバーの重複は妨げません。
- プロダクトαは専門家が開発したテクノロジーと現在のユーザ動向からフォアキャスティングする方略に基づき、プロダクトβは若い世代が描く未来像からバックキャスティングする方略で進行する。これらを相互補完的に噛み合わせ「新しい本」の具体像に結実させます。
- 合わせて旧講座で取り組んできたデジタル教材利活用制度整備に関する検討も進め、新しい活用制度フレームづくりと関係者への提案を行なっていきます。
- デジタルコンテンツ構築やデジタルアーカイブ振興を図るため、当講座が事務局を担うデジタルアーカイブ学会等関連団体の支援と協力を進めます。
2022年度アート・ドキュメンテーション学会年次大会 (2022/6/11-12)
2022年度アート・ドキュメンテーション学会年次大会 (2022/6/11-12)
当学会が後援するイベントのお知らせです。
- 日時:2022年6月11日(土)、12日(日)
- 第1日目:6月11日(土)
- 13:00-16:00 シンポジウム「コレクションとコモンズ:コレクションをめぐる動向」
- 16:00-18:00 慶應義塾ミュージアム・コモンズ見学会
- 第2日目:6月12日(日)
- 10:00-12:00 総会(会員限定)
- 13:00-13:30 野上賞授賞式
- 13:40-15:40 研究発表会
- 15:40-16:00 ポスター発表セッション(ライトニングトーク)
- 16:20-17:10 動向紹介
- 17:10-17:40 活動紹介
- 第1日目:6月11日(土)
- 会場/開催方法
- 慶應義塾大学三田キャンパス 東館8階ホール
〒108-8345 東京都港区三田2-15-45
およびオンライン(Zoom)(ハイブリッド型)
- 慶應義塾大学三田キャンパス 東館8階ホール
- 参加費(両日共通)
参加方法・参加日数を問わず同額となります。- 会員・賛助会員 1,000円
- 学生会員 無料
- 非会員(一般・団体購読会員)2,000円
- 非会員(学生) 無料