第 7 回研究大会企画セッション

[第7回研究大会トップ・参加登録][基調講演]
[一般研究発表 (現地)][一般研究発表 (オンライン)]
[チュートリアル][エクスカーション]
[企画セッション][サテライト企画セッション][実行委員会]

企画セッション (2022年11月26日 (土))

(サテライト・セッションはこちら)

●10:00~12:00 (若干前後することがあります)

●14:00~16:00 (若干前後することがあります)

セッション 1. 「文脈」を伝える——アジア・アフリカをアーカイブするための方法的探究 (沖縄県立図書館)

【企画提案者】
熊倉 和歌子、東京外国語大学TUFSフィールドサイエンスコモンズ
【企画趣旨】
今日、研究者により、アジア・アフリカ地域の言語や文化を研究対象とするデジタルアーカイブが構築され、研究や教育への利活用が進められている。そうした動きは、さまざまな形でその地域の理解を促進するものであり、地球一体化の時代においてますますその需要は高まっている。他方、デジタルアーカイブは、既存の情報資源の電子的な指標化や保存、大規模なデータの蓄積や参照、検索機能やネットワーク構築を通した情報の連携や発信などを通して、情報資源の飛躍的な構築や発信が可能となり、その社会的な影響も大きなものとなっている。そうした中で、デジタルアーカイブの存在が現地社会に及ぼすさまざまな影響も考えられ、検討を要する問題も多い。特定の地域文化についてとりあげることにより、アーカイブ自体が政治性をおびるためである。
第一に、静的なイメージの固定化があげられる。デジタルアーカイブにおける情報の取り上げ方や利用者の知識や理解の程度によっては、デジタルアーカイブがその地域にかんする固定的なイメージを作りあげてしまい、研究や教育に携わる構築者の意図を離れて利用されうることが懸念される。アーカイブの対象がマージナルなものであればあるほど、その懸念は強まる。第二に、その地域の情報がアーカイブされ、広く発信されることによって、現地社会のもつ知識の搾取など、現地の人々に何らかの不利益が生じる可能性も想定される。これらの問題は、デジタル情報資源に関する固有の権利の保護などの喫緊の課題に関わる同時に、公共財としてそれを適正に保全し、将来の利活用に道を開くことにも結びつくだろう。
このような問題に対して、「他者」である研究者は何を意識し、どのような方法でデジタルアーカイブを作り、発信すればよいのだろうか。この問題を考えるにあたり、私たちは「文脈」、つまり、アーカイブの対象のそばにいる人々が形成するコミュニティや、その歴史的・文化的な背景の重要性に注目する。デジタルアーカイブの構築において、そうした「文脈」をどのように扱うべきか、また、「文脈」をいかにしてデジタルアーカイブとともに伝えるか、本企画セッションでは、そうした問題意識に立ち、アジア・アフリカ地域を対象としたデジタルアーカイブ構築の事例を踏まえながら、問題点を共有し、現地の人々とともにあるデジタルアーカイブ構築の方法を検討する。
【登壇者等】
・司会:熊倉和歌子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
・パネラー1:倉部慶太(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
・パネラー2:野林厚志(国立民族学博物館)
・パネラー3:深見奈緒子(日本学術振興会カイロ研究連絡センター)
・パネラー4:吉村武典(大東文化大学)
・コメント:木村大治(京都大学名誉教授)
【進行案】
1. 趣旨説明(5分):熊倉和歌子
2. パネル1(20分)
3. パネル2(20分)
4. パネル3(20分)
5. コメント(10分)
6. 総合討議(25分)

セッション 2. (沖縄発) 形あるもの、沖縄の歴史の DA 化(沖縄県立美術館・博物館)

【企画提案者】
第7回研究大会実行委員会
【企画趣旨】
日本はもとより海外とも多くの文化的交流を経て、独自の文化を築き上げた沖縄には、独特な文化財が多く存在する。しかし古来からの貴重な文化財の多くは、戦争で消失、散逸している。また2020年の首里城火災においては、精緻な復元によって甦った工芸品などとともに多くの文化財が消失した。防災対策はもちろんだが、不慮の事故は常に怒る可能性を秘めている。失われる可能性のある形あるものを保存、展示する手法としてデジタルアーカイブは、こういった問題に一定の役割を担えると言えるだろう。
今、沖縄のアーカイブや文化行政は、デジタルアーカイブの構築をどのように考え、問題点を抱えているのだろうか?
また観光立県として、デジタルアーカイブを利用で得られる可能性など、経済的な分野へ可能性なども含め、沖縄の有形文化財に対する現状を語る。
【登壇者等】
・外間 一先 (沖縄県立博物館 主任学芸員)
・幸喜 淳 (美ら島財団 琉球文化財研究室室長)
・外間 政明 (那覇市文化課)
・島袋 幸司 (豊見城市教育委員会 文化課)

セッション 3. (沖縄発) 戦後文書資料と展示~一次資料保存とDA化の連動
~公文書館と民間資料施設の“復帰50年”~(沖縄県公文書館)

【企画提案者】
第7回研究大会実行委員会
【企画趣旨】
「沖縄県公文書館」では復帰50年にあわせ、企画展「Part.1:民主主義のショーウインドー―アメリカ統治の光と影(2021/7/30~12/28)」「Part.2:軍用地政策の変遷―基地のない島から基地の島へ 沖縄の変貌を紐解く(2022/2/1~4/24)」「Part.3:日本復帰と沖縄展(2022/5/13~12/28)」をシリーズ開催。公文書館ならではの歴史への光の当て方に加え、VR展示から目録~Web閲覧をシームレスにつなぐ「デジタル導線」の工夫が脚光をあびている。本セッションではその考え方とDA化の現状を報告いただく。
一方、民衆の戦後史を考えるうえでは、私文書の保存・公開も需要な課題だ。その活動の代表例として草の根で支援の輪を広げてきた「不屈館―瀬長亀次郎と民衆資料」の現状についても紹介いただく。
この二つの事例から、「文書資料」の収蔵~活用における技術や制度の果たすべき課題について共有を図り、討議を深めていきたい。
【登壇者等】
・プレゼンテーター:沖縄県公文書館 大城博光さん
:不屈館 内村千尋さん
・司会:水島久光  コメンテータ:(検討中)

セッション 4. デジタルアーカイブ憲章をみんなで創る円卓会議 in 沖縄 (琉球大学50周年記念館)

【企画提案者】
デジタルアーカイブ学会法制度部会
【企画趣旨】
デジタルアーカイブ学会法制度部会では、デジタルアーカイブ振興に向けた社会的認知を高めるとともに、めざすべきデジタルアーカイブ社会の姿と、我々がデジタルアーカイブの普及・活用促進において従うべき羅針盤を広く共有するため、『デジタルアーカイブ憲章(仮称)』の策定・公表に向けた検討を進めている。それは学会内に閉じた議論ではなく、社会各層の人々を巻き込んだ公開討議を積み重ねていくことによって実現されるものである。今後、沖縄大会以前にも参加者層の異なる幾つかの円卓会議開催を予定しているが、本大会では、それまでの議論を踏まえながら、沖縄の歴史的・地域的特性を活かしつつ、地域アーカイブ振興の観点からの憲章案を検証していきたい。

デジタルアーカイブ憲章をみんなで創る円卓会議についてはこちら
【プログラム】
・挨拶:吉見俊哉(東京大学大学院教授、デジタルアーカイブ学会会長)
・本会議の趣旨と進行:福井健策(弁護士、デジタルアーカイブ学会法制度部会長)
・デジタルアーカイブ憲章(案)の概要:
・ラウンドテーブル
・参加者からの質問・意見
【登壇者】(五十音順)※2022年10月23日現在
・太下義之 (文化政策研究者、同志社大学教授)
・加藤 諭 (東北大学学術資源研究公開センター准教授)
・呉屋美奈子(恩納村文化情報センター係長、沖縄国際大学非常勤講師)
・平良斗星 (公益財団法人みらいファンド沖縄副代表理事、沖縄デジタルアーカイブ協議会運営委員)
・田村卓也 (南城市教育委員会デジタルアーカイブ専門員)
・徳原直子
・平田大一 (沖縄文化芸術振興アドバイザー、演出家、脚本家、南島詩人)
・福井健策 :司会
・三好佐智子(EPAD2022 事務局長、有限会社quinada 代表取締役社長)
・柳与志夫 (東京大学大学院特任教授)

セッション 5. (沖縄発)沖縄のマスメディアのアーカイブコンテンツの価値と可能性 (沖縄県立図書館)

【企画提案者】
第7回研究大会実行委員会
【進行】
吉見俊哉 東京大学大学院 情報学環 教授 / デジタルアーカイブ学会会長
【企画趣旨】
沖縄のマスメディアは何を伝えてきたのか。
それぞれのメディア各社が保有するアーカイブコンテンツは、戦前(新聞)から戦後の沖縄の激動の日々を記録し、放送局は本土の情報、流行や芸能の窓となりながら、同時に独自の番組を生み出してきたことを記録している。
復帰までは、新聞やニュースに刻まれているのは、占領下の自治権拡大の動き、米軍由来の事故や事件の数々、復帰が近づくと人々の望んだ形ではないことが明らかになり期待と失望が錯綜した社会の姿だ。そして、復帰の混乱、本土からの公共投資による開発と環境破壊。変わらぬ基地負担、海兵隊員による少女暴行事件、SACO設置と普天間の返還決定、さらに幾度もの反対の意思表示を踏み躙る名護市辺野古の新基地建設。そして、沖縄に向けられるフェイクとヘイトの言説…。
一方、テレビやラジオは、沖縄芝居や民謡などの民俗芸能から沖縄ならではのポップカルチャーを番組化して人々から支持されてきたことも浮かび上がる。
これらアーカイブコンテンツを活用することで、沖縄の独自の歴史と文化から基地問題を確認することも、新たなコンテンツを生み出すこともできる。
しかし、マスメディアのアーカイブコンテンツは、事業者のアセット・著作物でもある。社会で共有するには、その価値をできるだけの多くの人々が確認した上での合意形成と新たなデザインが必要である。
このセッションでは、復帰50年の記念特番で、沖縄の民放各局とNHKのアーカイブ映像を活用して制作された「どこにもないテレビ」(NHK沖縄放送局制作)を起点に、放送局のアーカイブの価値を確認する。
さらに、アーカイブコンテンツを活かした映画制作の取り組みから、ドキュメンタリー番組などの教育現場での利用可能性について考える。
新聞は日々起きていることを正確に伝え続け、その取材力、ネットワークとジャーナリストの課題意識が紙面に結晶する。そして新聞紙面や記事は積み上げられていけば、壮大な地域史の記録となり、一層の価値を生むはずである。ならば、どういう仕組みが実装されればその記録を社会共有できるのか、メディアの枠を超えて議論する
【登壇者】(確定した方のみ)
・OTV沖縄テレビ放送 山里 孫存 報道制作局次長
・琉球新報社 米倉 外昭 論説委員
・NHK放送文化研究所 大髙 崇 主任研究員
進行 吉見 俊哉 東京大学大学院 情報学環 教授 デジタルアーカイブ学会 会長

セッション 6. (沖縄発) 残りにくい文化をどうするか―沖縄芝居を中心に (沖縄県立美術館・博物館)

【企画提案者】
第7回研究大会実行委員会
【企画趣旨】
沖縄の大衆文化の多くは、サブカルチャーの視点からも注目が大きい。祭祀や芸能などの無形の文化も多い。これらは複雑な社会の変化の中で、複雑に絡み合いながら変化、あるいは分化するなど、あるいは分化するなど系統立てた研究も必要である。
しかし大衆の中で育まれた分化には著作物も多く、容易にデジタル化、さらには公開できない事情など、問題は山積みのまま放置されている。
本セッションでは、多くのカテゴリーの中から、沖縄芝居に注目し、そのデジタルアーカイブを実現する可能性や利点、さらに問題点を拾い上げ、無形の文化を保存記録するためのシミュレーションを行う。
沖縄芝居は、組踊などの王朝文化が解体された琉球処分以降に下野した芸能が、大衆文化として広まり、多くは独立した芝居一座の運営によって各地で隆盛を極めた時代もあった。しかし映画、テレビの影響など時代とともに廃れつつある。しかし近年は大衆文化の記録としての重要性はもちろん、後継者育成のための台本の復元、使用楽曲の特定、さらに写真、映像資料の保存はもちろん、芝居小屋などの周辺文化の調査、さらには著作物の保存に関する問題など、他の分野にも通ずる問題が多くあり、タイミング的にも今やらねば手遅れになる分野といえる。
【登壇者】
・岡室美奈子(早稲田大学坪内博士記念演劇博物館館長・早稲田大学文学学術院教授)
・大宜見しょう子(大伸座座長)
・鈴木悠(那覇市歴史博物館学芸員)
・又吉恭平(野村流伝統音楽協会師範 歌三線・胡弓)
・真喜屋力(沖縄アーカイブ研究所)

セッション 7. DX化する社会とデジタル公共文書 (沖縄県公文書館)

【企画提案者】
福島幸宏、古賀崇
【企画趣旨】
“DX化が急速に進み、社会のあらゆる事象がデジタル情報で記録されてきている。ただしまだまだそのデジタル情報をアーカイブするというところに議論が及んではいない。そこで、デジタルアーカイブ論の視点から「デジタル公共文書(digital public document)」という概念を提起し、その意義とその展開の可能性を考える。その際、利用者(市民、企業人、研究者等)の視点から、民間のものも含めた、公共的に利活用可能な形で蓄積されるべき「デジタル公共文書」を、新しい知識や社会生活、産業を生み出す源泉とするための方策を考える。特に今回は、沖縄の地域や現状に即しつつ、日本の状況と今後を視野に入れる形で、公共文書やそのデジタルアーカイブ化をめぐっての実例と課題を共有し、議論する機会としたい。
【登壇者等】
・古賀崇(天理大学)
・東健二郎(Code for Japan)
・沖縄関係者
・福島幸宏(慶應義塾大学)
【進行案】
・趣旨説明(5分)
・報告:デジタル公共文書をめぐる論点(15分)
・報告:沖縄における公共文書Ⅰ(15分)
・報告:沖縄における公共文書Ⅱ(15分)
・ディスカッション(70分)

セッション 8. (沖縄発)自治体のアーカイブ活用 (琉球大学50周年記念館)

【企画提案者】
第7回研究大会実行委員会
【企画趣旨】
全国の様々な自治体では、教育委員会の文化財担当等が地域資料のデジタルアーカイブを進めています。自治体によっては専用のサイトを開発し、その成果発信をはじめました。ただ、その活用に関してはまだ担当部局からの発信にとどまる場合が多く、自治体内外への波及効果が出にくい状態にあるのではないでしょうか。今回はこの問いに対して、沖縄県内でチャレンジを続ける自治体のアーキビストの方々のインタビューを聞きながら今後のデジタルアーカイブの蓄積とその活用の展開を考えていく分科会です。

/*
*/