著作権「死後70年化」の施行を受けて、当学会を含む6団体共催で「著作権延長後の世界で私たちは何をすべきか」を考えるシンポジウムを開催します。
■開催趣旨
10月30日、政府は、TPP11が6ヶ国目の批准を得て12月30日に発効することが確定した、と発表しました。これに伴い、2016年の改正著作権法も同じ日に施行されることになり、我が国が1970年以来守って来た著作権の保護期間「死後50年」の原則は、ついに「死後70年」原則へと延長されます。
私たちは2006年、米国や権利者団体の要求で国内での保護期間延長論議が本格化して以来、様々な形と立場でその広範な影響への懸念を論じてきました。今回、政府はTPP11では各国の反対で期間延長が凍結されたにもかかわらず、21世紀の世界の現実に逆行するかのような延長を決定しました。しかし私たちはその事実を非難するよりも、過去の作品の保存と継承や新たな創造・ビジネス・教育・研究開発のために、「延長後の世界」で私たちに出来ることを、今こそ、共に考えはじめたいと思います。
下記6団体の共催にて、延長問題にこれまで関わって来た様々な立場の人々が集い、今後の著作権/文化政策のビジョンや政策形成のありかた、個別の対策など、「これから私たちにできること」を考えます。
■日時: 2019年1月10日(木)18:30~21:00
■会場: 東京ウィメンズプラザ(銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」B2より7分)
■申込: goo.gl/forms/zURClMoJoP3c0fiE2
■内容: (以下敬称略)
- 基調スピーチ
中山信弘(東京大学名誉教授) - 報告「期間延長問題の経緯」
福井健策(弁護士、thinkC世話人) - ライトニングトーク「今後我々に何ができるか/すべきか」
- 「最終20年アーカイブ可能化条項」
生貝直人 / 東洋大学准教授、デジタルアーカイブ学会理事 - 「今後の青空文庫について」
大久保ゆう / 青空文庫 - 「クリエイティブコモンズの更なる普及」
渡辺智暁 / クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(NPO法人コモンスフィア)理事長 - 「図書館からの家庭配信などの提案」
赤松健 / 漫画家、日本漫画家協会理事 - 「オーファン問題をどう解決して行くか」
瀬尾太一 / 写真家、日本複製権センター代表理事 - 「ブロックチェーン/リーガルテックは著作権管理を変えるか?」
永井幸輔 / 弁護士、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(NPO法人コモンス
フィア) - ほか「戦時加算は解消できるか」など予定。いずれもタイトルは仮で、発表順は変更になる可能性があります。予めご了承ください。
- 「最終20年アーカイブ可能化条項」
- 総括シンポジウム「個別対策と今後の政策形成」
前半部の登壇者に加え下記の皆さまをお迎えします。- 上野達弘(早稲田大学教授)
- 太下義之(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 芸術・文化政策センターセンター長)
- 田中辰雄(慶應義塾大学教授)
- 富田晶子(青空文庫、本の未来基金運営委員)
- 司会:津田大介(ジャーナリスト、インターネットユーザー協会代表理事)
■主催
青空文庫、本の未来基金、デジタルアーカイブ学会、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、インターネットユーザー協会、thinkC(順不同)