法制度部会は、デジタルアーカイブ学会の設立当初より、社会の様々なデジタルアーカイブ活動を取り巻く著作権、肖像権、個人情報保護といった諸課題、その推進や規制に関わる法制度を研究し、アーカイブの現場を支援する諸活動や政策提言・ガイドライン作りに取り組んでいます。
部会員は、アーカイブ現場担当者、創作者、法実務家、各ジャンルの研究者など多岐にわたり、月1回の本会議のほか、各PT・WGに分属して活発に活動しています。
部会長: 福井健策 (弁護士、日本大学芸術学部・神戸大学大学院ほか 客員教授)
副部会長: 生貝直人 (一橋大学 教授)、数藤雅彦 (弁護士、東京大学客員准教授)
主な活動 [肖像権ガイドライン][無料法律相談][個人情報保護法][デジタルアーカイブ整備推進法 (仮称)][メディア展開]
[シンポジウム「デジタルアーカイブが拓く日本の社会・文化芸術の未来」]
この度、デジタルアーカイブ学会 (会長 吉見俊哉・東大教授) 法制度部会では、社会として歴史的資料の記録を保存・整備することの意義を伝え、デジタルアーカイブによる社会の発展、特に文化芸術、エンタテインメント政策の今後の在り方に関するシンポジウムを下記要領で開催いたしますので、ご案内申し上げます。
- 日時 2022年12月5日(月)14:00~16:00(約120分)
- 場所 参議院議員会館内 講堂 (※入場無料・事前申込制)配信等は行いません
- 登壇予定
- 草刈民代 氏(俳優、元バレリーナ)
- 大島 新 氏(映画監督・プロデューサー、元テレビディレクター)
- 吉見俊哉 (東京大学大学院教授・デジタルアーカイブ学会会長)
- 福井健策 (弁護士・デジタルアーカイブ学会法制度部会 部会長)
- (進行) 内田朋子 (共同通信社・デジタルアーカイブ学会会員)
- ※ 前デジタル大臣政務官の山田太郎・参議院議員、音事協専務理事の中井秀範氏も発言予定。
- 式次第
- 来賓ご挨拶 山田太郎議員
- 討議(主なキーワード)
- 裁判記録の破棄が引き起した問題の深刻さ。「少年A」事件の事例から考え
- 諸外国のアーカイブの在り方について 政治・社会・文化政策との関連性
- デジタルアーカイブ構築によって期待される文化芸術、エンタテイメントへの効果
- 著作権処理などをめぐる実務と変わる法制度、メディア・政・官界の「意識」の課題
- 次世代への文化継承の責任と、社会にとっての「記憶する権利」
- 質疑応答
- 参加申込方法
参加を希望される方は、12月3日(土)までに、デジタルアーカイブ学会法制度部会 井上奈智 (inouenachi@gmail.com) まで ①お名前、②ご所属・肩書、③連絡先₍電話番号・email)をご連絡ください。 - 感染症予防対策
37.5度以上の発熱(平熱と比べて高い発熱)、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、味覚・嗅覚障害、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐等の症状がある方、または新型コロナウイルス感染症患者の濃厚接触者である方は参加をご遠慮ください。 - 会場におけるお願い
*参議院議員会館への入館には通行証が必要となります。13:30 (開始30分前) より通行証を配布致します。配布開始前にお越し頂いてもご入館できませんのでご了承ください。
*手洗い・手指消毒の徹底をお願い致します。手指用消毒液は会場(講堂)入口の受付等に設置しておりますので、入場前に必ずご利用ください。
*会場ではマスクのご着用をお願いします。また館内での大声での会話はお控え頂き、咳エチケットにご協力をお願い致します。マスクを着用されていない場合や本書注意事項に違反する来場者様はご入場をお断りする場合がございます。 - 本件に関する問い合わせ
デジタルアーカイブ学会・井上奈智(℡:090-9994-0995/ inouenachi@gmail.com)
[デジタルアーカイブ憲章]
デジタルアーカイブ憲章円卓会議 (2022/8/3)
[肖像権ガイドライン]
●「肖像権ガイドライン」の正式公開とこれから (終了しました)
●日時: 2021年4月26日 (月) 14:30~16:00
●企画趣旨
デジタルアーカイブ学会では、「肖像権ガイドライン」のパブリックコメント手続を経て、2021年春に学会公認バージョンのガイドラインを公開予定です。本セッションでは、当学会理事、ガイドライン策定メンバー、その他肖像権の利活用に関するステークホルダーが登壇し、肖像権ガイドラインの活用のあり方等について議論したいと思います。
●登壇者および司会
デジタルアーカイブ学会理事、法制度部会員ほかを予定
●肖像権ガイドラインを正式公開しました (2021/4/19)
●肖像権ガイドライン (第 4 版) のパブリックコメント募集を開始しました。(2021/1/8)
●第 3 回肖像権ガイドライン円卓会議 (2020/4/25) (終了しました)
当日配布資料をこちらで公開しました。
- 主催:デジタルアーカイブ学会法制度部会
- 日時:2020 年 4 月 25 日(土)15:00~17:00(延長あり)
- 形式:ウェブ会議システムを用いる(URL等の詳細は、開催日の数日前に参加者にメールで周知する。)
- プログラム
- ガイドライン第三次改訂版の報告
川野智弘(弁護士) - ラウンドテーブル
<討論者(50音順)>
・足立昌聰(LINE株式会社)
・内田朋子(共同通信編集局ニュースセンター校閲部委員)
・大髙崇(日本放送協会放送文化研究所メディア研究部)
・宍戸常寿(東京大学教授)
・数藤雅彦(弁護士)
・中井秀範(日本音楽事業者協会専務理事)
・橋本阿友子(弁護士)
・原田健一(新潟大学教授)
・福井健策(弁護士・デジタルアーカイブ学会法制度部会長):司会
・宮本聖二(立教大学教授)
・渡邉英徳(東京大学教授) - 実証実験への参加機関公募及び今後の取組について
福井健策 法制度部会長
- ガイドライン第三次改訂版の報告
●第 2 回肖像権ガイドライン円卓会議 IN関西 (2020/2/15) (終了しました)
当日配布資料をこちらで公開しました。
- 主催:デジタルアーカイブ学会関西支部・デジタルアーカイブ学会法制度部会
- 日時:2020年2月15日(土) 14:00~17:00
- 場所:同志社大学新町キャンパス 尋真館1F Z6 教室(京都市営地下鉄今出川駅下車10分)
- 内容:
- 14:00~14:10 挨拶等
- 14:10~15:00 肖像権ガイドライン(案)の提案
数藤雅彦(弁護士・五常総合法律事務所) - 15:00~15:50 現場での課題
植田憲司(京都文化博物館)
松山ひとみ(大阪中之島美術館準備室)
木戸崇之(朝日放送テレビ報道局ニュース情報センター)
三浦寛二(愛荘町立愛知川図書館)
村上しほり(大阪市立大学客員研究員) - 15:50~16:00 コメント
曽我部真裕(京都大学大学院法学研究科教授) - 16:00~17:00 ディスカッション
司会:原田隆史(同志社大学大学院総合政策科学研究科教授)
●「肖像権ガイドライン円卓会議―デジタルアーカイブの未来をつくる」 (2019/9/26) (終了しました)
当日配布資料をこちらで公開しました。
- 主催 デジタルアーカイブ学会
- 後援 デジタルアーカイブ推進コンソーシアム(DAPCON)
- 日時 2019年9月26日(木)午後3時30分~6時30分
- 会場 御茶ノ水ワテラスコモンホール
(千代田区神田淡路町2―101) - 参加費 無料(定員150名)
- お申込みはこちらから
- プログラム
- 開会の挨拶:15:30-15:35
吉見俊哉(デジタルアーカイブ学会会長代行・東京大学教授) - デジタルアーカイブにおける肖像権の諸問題:15:35-16:00
瀬尾太一(日本写真著作権協会常務理事・授業目的公衆送信補償金等管理協会常務理事) - 肖像権処理ガイドライン(案)の概要:16:00-16:30
数藤雅彦(弁護士)
[休憩 16:30-16:40] - ラウンドテーブル:16:40-18:00
<討論者(予定)>
足立昌聰(弁護士)
生貝直人(東洋大学准教授)
坂井知志(国士舘大学スポーツアドミニストレーター)
数藤雅彦(弁護士)
瀬尾太一(日本写真著作権協会常務理事・授業目的公衆送信補償金等管理協会常務理事)
長坂俊成(立教大学教授)
福井健策(弁護士):司会
宮本聖二(立教大学教授)
渡邊英徳(東京大学教授) - フロアからの質問・意見:18:00-18:30
- 開会の挨拶:15:30-15:35
[無料法律相談]
[個人情報保護法]
●「個人情報保護法」についてパブリックコメント提出
デジタルアーカイブ部会法制度部会は「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」に関する意見募集 (パブリックコメント) に対して意見を提出しました。
「(別紙2)意見(全体)」の419番 (P.147) に掲載されています。意見は以下のとおりです。
「中間整理」第6節の国際的制度調和その他の観点からは、情報の記録・保存・継承活動、特にデジタルアーカイブ活動への配慮も重要であり、適切な法整備が必要と考える。近時、デジタルアーカイブを通じたデジタル知識基盤の構築が急務となっている。我が国の政府においても、知的財産戦略本部に設置されたデジタルアーカイブジャパン推進委員会及び実務者検討委員会を通じた検討が進められており、分野横断統合ポータル「ジャパンサーチ」も2019年2月に試験版が公開された。デジタルアーカイブ化の動きは公的機関にとどまらず、民間事業者においても、所蔵資料のデジタル化及び利活用の取り組みが進んでいる。そして、デジタルアーカイブ化される資料の中には、特定の個人を識別できる写真や映像のように、法律上の「個人情報」に該当する情報も数多く存在する。しかしながら、これらの資料については、取得時に利用目的としてデジタルアーカイブでの保存や公開等が明記されていたか(法15条)等、事業者の義務が遵守されていたかを事後的に確認することが困難な場合も多い。また、法76条は、「大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者」が「学術研究の用に供する目的」で個人情報等を取り扱う際の適用除外を定めているが、典型的な学術研究機関ではない民間のアーカイブがこのような適用除外の要件を満たすかは必ずしも明らかでない。その結果、民間のデジタルアーカイブにおいては、現行法の規制を満たすかの判断が困難であることから、デジタル保存及び利活用に萎縮が生じ、質量ともに充実したデジタルアーカイブを構築する際の支障になっている。他方で海外の法制を見ると、公的目的のアーカイブ活動に配慮した規定が見受けられる。例えばGDPRでは、データ管理者の公私を問わず、「公共の利益におけるアーカイブ目的の取扱い」については目的外利用とはみなされず(5条1項(b))、長期の記録保存も可能となり(同項(e))、特別な種類の個人データの取扱いも一定の範囲で認められている(9条2項(j))。さらに、当該取扱いに関しては削除権の適用が制限される他(17条3項(d))、他の権利に関しても適切なセーフガード等を要件に国内法での特例を認める(89条3項)など、法制度全体においてアーカイブ活動への配慮が見られるところである。そこで、今回の個人情報保護法の3年ごと見直しに際しても、「中間整理」第6節の国際的制度調和の観点をも踏まえ、我が国におけるデジタルアーカイブ活動が不当に制限されることのないよう、適切な法整備を求める。具体的には、GDPRと同趣旨の条項などを新設することが考えられるが、仮にそうした整備が難しい場合には、少なくとも附則等において、公共の利益のためのアーカイブ活動が不当に制限されないよう配慮する義務を明記するなど、今日におけるデジタルアーカイブ活動の重要性を踏まえた適切な法整備を求める。【デジタルアーカイブ学会 法制度部会】
[デジタルアーカイブ整備推進法 (仮称)]
「デジタルアーカイブ整備推進法 (仮称)」に関する意見交換会 (2018/9/18) (終了しました)
- 意見交換会の趣旨
様々な価値あるデジタルアーカイブの営みを促進し、関係者が直面する困難を軽減するため、全国的なデジタルアーカイブ振興に関わる基本法制定の必要性が長らく議論されてきた。また、デジタルアーカイブ学会設立時には、デジタル知識基盤社会形成のために、デジタルアーカイブ法制度に関する具体的政策の提言が学会の役割のひとつとして指摘されていた。
そのような状況下で、2017年には、自民党のデジタルアーカイブジャパン構想推進議員連盟の要請を受け、デジタルアーカイブ推進コンソーシアム (DAPCON)が、デジタルアーカイブ学会法制度部会の協力のもと、「デジタルアーカイブ振興基本法(仮称)」を提案するに至った。その後、衆議院法制局における検討を経て、本年(2018年)5月8日に開催された超党派のデジタル文化資産推進議員連盟総会において、「デジタルアーカイブ整備推進法(仮称)要綱案」が提示された。これを契機として、今後民間及び国政レベルにおける論議が広く進展することが期待される。
この状況を受けて、デジタルアーカイブ学会としては、法制度部会と一般学会員のオープンな意見交換の場を持ち、この推進法要綱案の内容と課題の検討、推進法が成立した場合の政策的対応の在り方等ついて、学会としての意見交換を行うこととしたい。 - 意見交換会の実施概要
- 日時: 2018年9月18日(火)10:00~12:00
- 場所:東京大学本郷キャンパス 情報学環ダイワユビキタス学術研究館石橋信夫記念ホール
- 主催: デジタルアーカイブ学会法制度部会
- 構成
- 経緯と概要説明(10分):福井健策法制度部会長
- 法案要綱説明(30分):藤森純弁護士(法制度部会員)
- 質疑応答及び意見交換(80分):法制度部会員及び学会会員
- 参加について
- 参加費
- デジタルアーカイブ学会員 無料
- 非会員 3,000円 (当日現金でお持ちください)
- 定員 100名 (先着順、定員に達し次第締切ます)
- お申込はこちらから
- 参加費
<参考: デジタルアーカイブ整備推進法(仮称)要綱案の骨子>
① 政府によるデジタルアーカイブ振興基本計画の策定と3年毎の見直し
② 産官学民によるデジタルアーカイブ推進会議の設置
③ 達成目標数値の設定
④ 基本計画で規定する基本施策内容:我が国知的資産の統一的な検索、諸外国デジタルアーカイブとの連携と海外発信、利活用を促進するための専門的人材養成、関連技術等調査研究開発、ナショナルデジタルアーカイブ拠点の設置、民間主導による利活用促進とデジタルライセンス市場の整備など