デジタルアーカイブ学会 第4回研究大会ワークショップ

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会場: 学術総合センター一橋講堂 2F 中会議室

(〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋 2-1-2)

4月25日 (土)

ワークショップ (A) 10:00-11:30

  1. 自然史・理工系デジタルアーカイブの現状と課題
    自然史、理工系デジタルアーカイブの現状は人文系に比較して認知度は低いと言わざるを得ない。そのため、学会が編集に協力しているデジタルアーカイブベーシックシリーズの第3巻のテーマになるなど、その現状を明らかにすることが課題になっている。さらに、他分野デジタルアーカイブとの連携協力を図るためにも、この企画セッションにおいて自然史、理工系デジタルアーカイブの現状と課題を多様な分野の方々と検討したい。
  2. 8mm動的映像のもつ資料価値を採掘する: その現状と展望
    動的映像資料にはまだ採掘されていない多くの資料的価値があると考えられます。  その資料価値採掘にデジタルアーカイブは積極的に寄与できる可能性があると信じますが、本企画ではこれまでアーカイブ化を行ってきた、現在行っている現場が抱える問題と今後の展望について広く討議・検討したいと思います。  具体的にはは8mmフィルム映像を中心に、1.保存と継承を長年行ってきた大学博物館の現場から、2.地域に眠る8mmフィルムを収集しつつも映像製作ワークショップを通じて開かれた動的映像の活用を試みている現場から、3.動的映像をショット解析・シーン解析をした上で各要素内・要素間分析を行って映像内容を越える情報をも映像に紐付けることで動的映像アーカイブを構築しようと模索している現場から、それぞれの試みが現状抱える問題点と今後の展望を挙げてもらいます。  とりわけ8mmフィルムカメラの機構的限界から、むしろ撮影者の意図が映像に埋め込まれていることが2.の活動から見出されていますし、1.と3.の試みでは相互的な情報補完の可能性が芽生え始めています。  動的映像の資料化において、そのアーカイビング活動そのものが資料的価値を生み出すのか。参加してくださる皆様から広くご批判とご示唆をいただければと考えています。
  3. 「公共文書」の発見
    本セッションでは、2019年6月に開催した「アーカイブサミット2018-2019」の第2分科会「「官」に独占された「公文書(official document)」概念を捉え直す」の再論を行う。 前回、「公共文書」という概念を軸に、立法府・司法府の記録、政策決定に至るまでの官僚のメモや与野党間の法案修正協議、シンクタンクやNPO等の民間セクターまで視野に入れ、さらに様々な立場から、実態や現場負担のない方法、価値観の多様化を前提に、今後のアーカイブズ像を探る議論がなされた。  今回は、それらの検討を受け、デジタルアーカイブ環境下で「公共文書」がどのように立ち上がるか。議論を深めたい。
  4. デジタルアーカイブにおける肖像・顔写真
    デジタルアーカイブ学会法制度部会では、2019年からデジタルアーカイブの構築と公開に際しての肖像権の処理円滑化に資するための民間ガイドラインの策定を進めており、広く関係者の意見を募る円卓会議などを開催してきた。他方で、特定の個人を識別できる肖像・顔写真に関しては、同ガイドラインが現在対象としている肖像権に加え、個人情報保護法制による保護を受けうることにも留意する必要がある。我が国のアーカイブ機関は、民間機関であれば個人情報保護法、公的機関であれば行政機関個人情報保護法・独立行政機関個人情報保護法の適用を受けることに加え、地方自治体であれば各自治体が定める個人情報保護条例の適用を受けるため、それぞれの法制度に即した対応を行わなければならない状況にある。さらに国際的な情報発信や外国人の情報を取り扱うことを視野に入れた場合、EUの一般データ保護規則(GDPR)をはじめとした外国法令への対応も求められる。本セッションでは、現在策定を進める肖像権ガイドラインの更なるアップデートを視野に入れ、デジタルアーカイブにおける個人情報保護法制への対応のあり方を議論する。

ワークショップ (B) 11:45-13:15

  1. 災害デジタルアーカイブ・災害記録を未来に活かす
    地震・台風・水害…様々な災害を巡るデジタルアーカイブは、日本にとっても世界にとっても、学問を支え、人々の生活を支える重要な情報源である。デジタルアーカイブ学会が編集に協力した『デジタルアーカイブ・ベーシックス(DAB)第2巻』では「災害記録を未来に活かす」と題して、様々な災害のデジタルアーカイブとそれを未来に向かって活かし、残していく方法を多面的に明らかにした。
    DAB2巻の編集時期にあたる2018年には様々な災害が日本を襲った。さらに、出版後の2019年も関東・甲信・東北に甚大な被害をもたらした「令和元年台風第19号」など大きな災害が発生し、災害デジタルアーカイブの役割とその活用を議論する必要性は更に増している。
    本セッションでは、災害を巡る様々なアーカイブをどのように構築し、維持し、活用していくのか、未来に向けて議論をしていく。
    東北大学において開催される次回第5回デジタルアーカイブ学会研究大会へのバトンタッチ企画としての意義も持っている。
  2. アートシーンのデータ流通とコンテンツ活用
    アートシーンとは、美術館・博物館だけではなく、作品の制作や表現を行うアーティストをはじめ、作品を販売・流通するギャラリーや関連企業、展覧会の企画・開催、コレクションを収集する美術館や博物館、アートを学術的に研究する研究機関や批評・評論家、アート活動を支える財団やパトロン、行政、そして芸術を趣味として楽しむ一般の人など、アートに関わるすべての組織や人々の活動における各々の場面(シーン)である。
    本企画では、アートに関するDAを広義に捉え、情報通信技術がより高度化する現代において、これらのシーンに関する情報流通やデジタルデータの活用とそれらを支える基盤に関する議論を深める。
  3. 「デジタルアーカイブ」再考
    2019年4月から本格的に活動しているデジタルアーカイブ学会理論研究会(SIG)では、現在デジタルアーカイブの定義を巡って議論を闘わせている。 その観点は、境界事例・評価軸・隣接領域との関係・発見の方法・統制理念の扱い・物理資料との関係・規範性・MLAからの視点・時間軸・政策形成など多岐にわたっている。 本セッションでは、これまでの議論を整理しつつ、あらためて「デジタルアーカイブとは何か」の現在を報告し、研究会メンバー以外からのレビューを受けて、議論を深めたい。
  4. デジタルデータの保存・管理
    図書館をはじめ、博物館・美術館、文書館等は、デジタルデータの保存・管理・活用にあたり、様々な課題に直面している。国内では、MLAなどをキーワードに、利用者サービスの面など、活用に関する連携協力は盛んに議論されるものの、ビットプリザベーションやマイグレーションなど、デジタルアーカイブの基礎となるデジタルデータそのものの保存や管理については、各組織で多くの問題を抱え、個別に対応がなされている状況であろう。
    2019年3年、このデジタルデータの保存や管理の課題に着目し、図書館・博物館・美術館・文書館などの業務従事者や、有識者で構成されるワーキンググループ『デジタルデータ管理勉強会(仮) 』が早稲田大学演劇博物館の呼びかけをきっかけに、活動をスタートした(現在ではおよそ10機関・約20名で構成される)。
    本企画では、ワーキンググループの立ち上げの経緯やこれまでの活動を紹介(第一部)するとともに、ヒト・モノ・コストなどの組織共通のテーマに着目し、今後の展望や連携協力の意義などについて、フロアからの質問も交えながら、シンポジウム形式のディスカッション(第二部)を行う。
  5. 地域コンテンツのアーカイブプロジェクト
    このワークショップの会場は隣接する「国立情報学研究所12F会議室」となります。ご注意ください。

    日本の各地域の人々の声や、作品の収蔵・展示は、全国各地に存在が知られることも少なく、貴重な証言や資料が散逸してしまう。今回のワークショップでは、小田急エージェンシーが箱根で手掛けている「観光地・箱根を作り上げた人々の証言集」と、宮崎アートセンターが行っている宮崎出身のイラストレーター・生頼範義作品の全国展開など、地域のアーカイブの在り方を考察するものとしたい。

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