肖像権処理ガイドライン案

デジタルアーカイブを整備し、その利用を促進するにあたり、「権利の壁」として立ちはだかるものとして、著作権などと共に、いわゆる肖像権が挙げられます。
肖像権は、著作権のように法律上明文化された権利ではなく、判例で認められた権利です。このため、権利の対象や保護の射程などのはっきりした規定はなく、全て解釈に委ねられています。拠り所の1つとなる最高裁の判例は、法廷での写真撮影に関して、いくつかの要素を「総合考慮」して写真撮影およびその公表が「社会生活上受忍の限度を超えるものかどうか」を検討して撮影・公表の適法性を判断しています。
しかしながら、大量のコンテンツを扱うデジタルアーカイブ機関では、「総合考慮」という基準のみで現場で公開の是非の判断するのは到底現実的ではありません。このような状況下では、肖像権の判断ができないという理由で、本来デジタルアーカイブに保存され、活用されるべき多くのコンテンツが死蔵化あるいは消滅する危機に直面していると言っても過言ではありません。
デジタルアーカイブ学会法制度部会では、これまでもデジタルアーカイブの基本法制の実現に向け活動してきましたが、これと並行して、デジタルアーカイブ機関の現場担当者が肖像権処理を行うための拠り所となるような、ソフトローとしてのガイドラインを提案すべく何度も検討を重ねてきました。
そして、2019年9月26日には第1回「肖像権ガイドライン円卓会議―デジタルアーカイブの未来をつくる」が開催され、同円卓会議にて議論、意見交換の叩き台として「肖像権処理ガイドライン(案)」を公開しました。かかる円卓会議では、様々な立場から多くの議論、意見交換がなされました。
ここに、円卓会議に参加できなかった方々のご意見も頂戴すべく、検討途上の「肖像権処理ガイドライン(案)」を公開いたします。法制度部会では、さらに多くの皆様からの意見を得て議論を続け、より実用性のあるガイドライン提案に磨き上げるように推敲を重ねていきたいと考えています。

2019年11月6日
デジタルアーカイブ学会法制度部会

2019年9月26日の「肖像権ガイドライン円卓会議」(東京) で配布した資料

●「肖像権処理ガイドライン (案)
●「肖像権処理ガイドライン (案) の解説

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